内田樹(マガジンハウス)
武道家、大学教授、翻訳家など、他にもたくさんの顔を持つ著者の自叙伝。
目次を見ただけでわくわくし、読み終わるのが惜しく、読了後はすぐに夫に薦めた。
数年前、大阪での講演を聴きに行ったことがある。
たしか30分くらいの短いものだったけど(満員御礼で立ち見)、
多角的なものの見方や話の筋道の面白さに圧倒された。
そして今回、自叙伝を読んでみて、
こういう生き方をしてきたからなんだと納得すると同時に、
その中で著者が出してきたひとつひとつの「解」に改めて感嘆させられた。
私が読む本の中ではめずらしく、男性にお薦めしたい一冊です。
流れに任せて、ご縁をたどって生きていたら、気がついたら「いるべきところ」にいて、適切な機会に過たず「なすべきこと」を果たしている。
そのことに事後的に気がつく。
武道をしっかり修行していると、そのような順逆の転倒が起きる。
必要なものは、探さなくても目の前にある。
(「合気道という修行」より)
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