吹上奇譚 第二話 どんぶり

吉本ばなな(幻冬舎)
哲学ホラーというジャンルらしい。

第一話を読んでからもう二年近く経つのに、

屍人やら霊やらが出てくるそのホラーな世界に

あっという間に引き戻されてしまった。


そして「どんぶり」がどう物語全体を貫いているのか楽しみに読んでいくと、

やはり期待は裏切られなかった。


比べるまでもないけど、

食べ物ブームに乗っかった本たちとは一線を画す作品でした。

第三話「ざしきわらし」も楽しみです。

 うっとりとそう言う母を見て「人ってなにで目が覚めるのか読めないな、だから意図して他の人がなにかをしてあげたから、人が幸せになるっていうことは、ほんとうにないんだよなあ」と私はしみじみ思った。直感と偶然の中だけに流れがあり、未来が生まれる。
 そしてそれに至る道には、本人がどんなに力んでいても不器用でも人生の妙なる味がある。


▽a piece of cake 4u▲

ひと切れのケーキの力を信じて。 from広島