ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ブレイディみかこ(新潮社)

今年1冊目から大当たり!
イギリス在住の保育士でライターの著者が、
中学生の息子と共に考え悩み乗り越えていく親子の成長記録。

元・底辺中学校に通い始めた息子は、
人種差別、ジェンダー、貧富の差、EU離脱などなど、
牧歌的な小学校では見えなかった様々な現実に直面していく。

そんなとき、親としてどう接するか?
存分に自分と重ね合わせながら読み進めました。
私ならどうする?どうしよう?

イギリスの教育事情も興味深かったし、
何より著者と息子の会話がとてもいい。
これから中学生になる子どもが近くにいる大人にお薦めです。

「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」
 とわたしが答えると、「また無知の問題か」と息子が言った。以前、息子が道端でレイシズム的な罵倒を受けたときにも、そういうことをする人々は無知なのだとわたしが言ったからだ。
「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」



▽a piece of cake 4u▲

ひと切れのケーキの力を信じて。 from広島