そのうちなんとかなるだろう

内田樹(マガジンハウス)
武道家、大学教授、翻訳家など、他にもたくさんの顔を持つ著者の自叙伝。
目次を見ただけでわくわくし、読み終わるのが惜しく、読了後はすぐに夫に薦めた。

数年前、大阪での講演を聴きに行ったことがある。
たしか30分くらいの短いものだったけど(満員御礼で立ち見)、

多角的なものの見方や話の筋道の面白さに圧倒された。


そして今回、自叙伝を読んでみて、

こういう生き方をしてきたからなんだと納得すると同時に、

その中で著者が出してきたひとつひとつの「解」に改めて感嘆させられた。


私が読む本の中ではめずらしく、男性にお薦めしたい一冊です。

 流れに任せて、ご縁をたどって生きていたら、気がついたら「いるべきところ」にいて、適切な機会に過たず「なすべきこと」を果たしている。
 そのことに事後的に気がつく。
 武道をしっかり修行していると、そのような順逆の転倒が起きる。
 必要なものは、探さなくても目の前にある。
(「合気道という修行」より)


そのうちなんとかなるだろう

「やりたいこと」を諦めたことも、 「やりたくないこと」を我慢したことも、 僕には一度もありません。 思想家・内田樹の痛快人生案内! 心と直感に従って生きればいい。 無理して決断する必要はない。 「なんとなく」選んだことが、 自分にとって一番いい状態だから。 豪快すぎる半生記! いじめが原因で小学校で登校拒否 受験勉強が嫌で日比谷高校中退 親の小言が聞きたくなくて家出 大検取って東大に入るも大学院3浪 8年間に32大学の教員試験に不合格 男として全否定された離婚 仕事より家事を優先して父子家庭12年 *昭和の時代を伝える「非日常写真館」も <あとがきより> 「自分らしさ」という言葉が僕はあまり好きじゃないのですが、 それでもやはり「自分らしさ」というのはあると思います。 ただ、それはまなじりを決して「自分らしく生きるぞ」と力んで創り出したり、 「自分探しの旅」に出かけて発見するようなものじゃない。 ふつうに「なんとなくやりたいこと」をやり、 「なんとなくやりたくないこと」を避けて過ごして来たら、 晩年に至って、「結局、どの道を行っても、 いまの自分と瓜二つの人間になっていたんだろうなあ」という感懐を抱く…… というかたちで身に浸みるものではないかと思います。 僕がわが半生を振り返って言えることは …

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ひと切れのケーキの力を信じて。 from広島